2018年7月12日木曜日

体幹は大事だがアジリティディスクの事故率は高い。


体幹は大事だがアジリティディスクの事故率は高い。:
 少し前まで採用をしていて中止した体幹トレーニングがある。フットボールでいう体幹とは、相手との接触等により体が通常動作に比べ崩れた場合、体全体で持ち直す総合的な力である。全身の筋力でもあり感覚でもあるため、総じてフットボールの様々な事象において倒れない力、と言ったほうがわかりやすい。
 問題は体幹を鍛えるとされる器具、アジリティディスクだ。バランスを崩す事が容易に出来るのが最大の利点で、確かに体幹を鍛えることが出来、育成年代で採用していた。しかし、アジリティディスクを用いたトレーニングを週一度、二部練習時に行い年間運用させると、年間のトレーニング評価で恐ろしいことが発覚した。トレーニング時間は年間五十回程度で、十五分程、延べ時間は千分に満たない。つまり時間でいえば、十試合分である。初年度の終わりに練習を評価した時に、異常に気づく。統計的に試合において、選手一人あたりの故障率は十試合あたり一回未満。しかし、アジリティディスクを使った試合時間相当の故障率はなんと十試合あたり五回。故障の内訳は捻挫、と軽度なものばかりであるが、「これは恐ろしい。石の上でフットボールをするようなものだ」とコーチ陣全体で即取りやめる事を決定した。現在は代わりに十五分程度のフットサルになっている。
 体幹は大事ではあるが、器具によっては事故率が高い物が多いのではないだろうか。バルセロナのトップチームの練習でバランスボールに座りながらヘディングのやり取りをしている動画がある。なんとも強度の低い練習であるが、その背景には同じ理由があるのではないか。億万円を超える選手たち。負傷をするにしても試合でなければ割に合わない。

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